与那国島
2017年1月下旬,半年間滞在した西表島を離れて大学のキャンパスのある静岡県で卒業研究発表前後の1か月を過ごした.
その後2017年3月、再び八重山諸島へ.
与那国島に向かった…
与那国島に行くことが決まったのは今年1月,卒業旅行を計画していたときのこと.
適当に近場で釣りをすることも考えたが,大学生活の釣りのほとんどをビッグゲームに費やした僕は,大学生活中に遠征釣行をしなかったこと友人に遠征釣行の楽しさを知ってもらおうと思い,今回の遠征を組んだ.
GTをメインに遠征を組みたかったのが本音だが,国内で3月にGTはまだ微妙なシーズンかと思い,スピニングマーリンをメインにキャスティング・ジギングを島回りで行った.
新石垣空港に降りたのは大学1年生の時に初めて石垣・西表島遠征をしてからこれで3回目。
屋久島,トカラ,石垣・西表を含め,南西諸島に遠征したのはこれで7回目になる.
石垣で一晩を過ごした翌日,天候は大雨、爆風.この遠征で一番恐れていたフェリーの欠航が決まった.
ここまできて週2便のフェリーよなくにに乗れないことで1週間を無駄にしたく無かった僕らは急遽,新石垣-与那国の飛行機へとプラン変更を決めた.
これから与那国島に遠征・旅行する人には,移動時間短縮のためと欠航の心配の少ないプロペラ機に乗ることをお勧めしたい。
プランの変更はあったが予定通り与那国島に到着.
ここに来ても天候は最悪.そして海況は大荒れ.
日本最西端まで来てテンションの上がる僕らを与那国島は歓迎してくれていないようだった…
移動の疲れもあり,到着初日は宿でゆっくり休んだ.
そして釣行初日.予想以上にうねりが残り,朝に出船中止の連絡が…
居てもたってもいられない3人は近くの港へ.
もちろん釣れない(笑)
しかし与那国島1番の餌釣り師と出会い,磯釣りの有名ポイントを教えてもらったり,泳がせ釣りでカンナギ釣りの世界記録保持者である立釣魂の方とお話し出来たりと充実した1日となった.
そして次の日.実釣1日目.
移動2日,現地で1日を過ごして,4日目にしてようやく出船.
高まる気持ちを抑えてタックルの最終チェックを終えて,久部良港を出た。
まず,港を出てすぐのポイントでGTキャスティング.
自分にしか見えなかったが一瞬銀色の魚体がポッパーの真下で見えた!!
しかしバイトには至らない.
そのタイミングでジグを落としていた友人にヒット!
オフショアではタチウオジギングしか経験のない友人だったが冷静に寄せてキャッチ.
8キロほどのGTだった.
大きくはないGTだが,この魚のかっこよさ,引きの強さを味わってもらえた.友人の笑顔を見て僕も最高の気分だった.
もちろん,抱っこしてしっかりと鯵汁を浴びてもらった.
このままGT狙いでも良かったが,船長にお願いして早々に切り上げて沖のパヤオに向かってもらった.
今回のメインターゲットはカジキ.大好きなGT狙いを早く切り上げてでもこの与那国で釣りたい魚だ.
パヤオに到着してまず狙うのはキメジ(キハダの子供).
ジグを落とせばすぐに食ってくる.
釣ると船長が手際よくフックをセット.
そしてトローリング開始.
待ちに待ったスピニングマーリン.いつ来てもおかしくない状況.ワクワクが止まらなかった.
しかしすぐにヒットするわけもなく,開始から7時間が過ぎた午後3時.
長時間のトローリングで集中力が切れながらもタックルと海を眺めていると,少ししかテンションのかかっていなかったロッドが絞り込まれ,物凄いスピードでスプールからラインが出る.
来たっっ!!
僕と友人が慌てて船長に伝える.
このとき,餌を飲み込ませるためにベールをフリーにしなくてはならなかったが,一瞬遅れてしまい餌だけ取られてしまった.
呆気にとられる僕と友人.
こんなにも急に来て,なにもなかったかのように去っていった謎の魚に悔しい思いと,こんな海で釣りができる喜びが入り混じって複雑な気持ちだった.
この日のマーリン狙いはここで終了.
島回りでジギングを行った.
一流し目,石垣のしま釣り具で買ったメサイア350gにいきなりの強烈バイト.
ファーストランでかなり走られて,やっと止まってポンピングして5mほど寄せたところでセカンドラン.ファーストランより本気の走りをされてリーダーブレイク…
僕の腕にPE4号タックルでは与那国の魚に歯が立たないことを思い知らされた.
その後,友人二人にもヒットするがブレイクの連発だった.
マーリンメインの釣行だったためジグをあまり持って行ってなかったことを後悔しつつもシャクリ続けた.
そしてその日の最後の最後にまたヒット.
そういえばこの日,キメジ以外釣っていなかった僕に船長は「そろそろいい魚みせてよ~」と.
やめてくれ船長,言われなくても分かっているよ,と…
最初のランから見て,ほどほどのカンパチかと思っていたが,上げてビックリ.
19歳の夏以来,久しぶりのGTだった.まさかジギングで釣るとは…
なにはともあれ,大好きなGTを釣り上げて一緒に写真を撮れた.そして元気なままリリースできたことが嬉しかった.
実釣2日目.
この日は昨日より風が強まり,うねりも大きい.
前日同様,GTキャスティングをしてからマーリン狙いにシフトする予定だったが,GTキャスティングを無しにして朝一からマーリンを狙うために沖へ船を走らせてもらった.
最初にGTを釣り上げた友人は船に強いが,もう一人の友人はめっぽう弱い.
移動中は常にこの状態.アネロンは気休め程度のようだ.
この男,パヤオでキメジを狙うときに限ってツムブリばかり釣る.
2日間で余裕の2桁オーバー.もうマーリン狙いに行きたくないかのようにツムブリしか釣らない…(笑)
笑顔はこの時だけ.顔は白い.
ツムブリ男の話はともかく,この日もスピニングマーリンは厳しかった.
朝から8時間以上船を走らせてもらい,夕方4時過ぎになった頃.
バチンッとPEをセットしていたゴムが弾け飛んだ.
この日は昨日と違い,メインラインのPEを船後方のヒモに輪ゴムで仮固定し.ベールを返さなくてもすぐにラインが出ていくようにドラグセッティングを見直しての挑戦だった.
けたたましくなるドラグ.船長も慌てて出てきて操船してくれた.
そしてドラグ値を上げて,綱引きフッキング.ビッグゲーム特有のフッキングを数発かまし,強烈なファイトが始まった.
が,ファイト時間数分.
リーダーブレイク.
船長は,カジキのビル(角)に絡まってたんだね,と.
ブレイクした瞬間,何も考えられなくなった.
釣り人なら1度は夢見るカジキ.ここで初めてのカジキへの挑戦が終わった.
この日の夜,今回の遠征を応援してくれた大学の大先輩に電話をして今回の釣行の報告をした.
僕の尊敬する大先輩は落ち込む僕に,「カジキの引きを味わっただけでもすごいよ!お疲れ様!」と言ってくれた.
気を張って挑んだ遠征でメインターゲットにやられた僕は悔しい思いでいっぱいだったが,大先輩の言葉で救われた気がした.
今回の遠征釣行はここまで.
西表島に滞在していた頃,この遠征の日程が決定した時から釣りアニキと遠征後に飲み会をする約束をしていた.
そして石垣に戻って,釣り談義に花が咲いた最終日!
最高の時間でした!
学生生活最後の遠征が終わって,すぐにこの記事を書き始めたものの,書き上げるまでに時間がかかりました.
社会人になってからも,研究と釣りをやり込んだ西表のこと,トカラ列島・屋久島・石垣島のこと,鹿児島に訪れた際に仲良くしてくれたショアGTアングラーのみなさん,学生時代に関わってくれた先輩方、そして釣り仲間のことを忘れずに生活しています.
GTを追いかけ出してからいろんな人に迷惑をかけ,たくさんの人に助けてもらったので,早く一人前の大人になって皆さんに恩返しをしなければと思いながらも,今の生活では道が反れているのではないかといつも考えてしまします.
大物狙いと一般の生活の両立は難しいのかと悩んでばかりの生活です.
釣り場に行かないと成長しないのは重々承知してはいるものの,GTの住む海域に行けない歯がゆさ,悔しさ,情けなさ.
社会にでたばかりのガキがそんなこと言うなと鼻で笑われるかもいれませんが僕は本気です.
19歳から始めた大物釣り.絶対に辞めません.
2017.6.4 tumblrにて投稿