米代川のサクラマス 2021
2021年はトラウトアングラーとして復活の年にしようと決め、迎えたサクラマスの季節。
これまでに通ったことのある九頭竜川に行くか、新たな河川にチャレンジするか。
比較的行きやすい北陸河川、はたまた飛行機か長距離ドライブが必須な東北河川。
聞くところによると、米代川は本州の中でもトップクラスのサクラマス遡上量を誇り、かなり上流エリアまで堰堤などの人工的な魚止めがない。
また、九頭竜川のように漁協区間の縛りもなく、米代川ではサクラマス共通券があれば河川の全区域でサクラマスを狙うことができる。
調べれば調べるほど米代川への興味が湧き、大河"米代川"でのサクラマス釣行が決定した。
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2月から九頭竜川が解禁していたが、緊急事態宣言の発令に加え、思わしくない釣果が続いてることからサクラマス釣行を控えていた。
冬の間は過去の"Gijie"や"鱒の森"の米代川釣行を確認、さらにマップで気になるポイントをひたすらに探した。
また、水位チェックも欠かさず、遠征族では感じ取りずらい状況の変化にも気を配った。
3月下旬に緊急事態宣言が明け、初の米代川釣行がどんどん現実味を増す。
2年振りとなるサクラマス狙いに不足のないようタックルの準備を進めた。
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迎えた4月初旬。
4月2日の仕事終わりから車を走らせること8時間強。
4月3日の夜が明ける前には能代市に着いた。
少し暖かい日が続いたからか、雪代が強く出ていて水位も高い。
はやる気持ちを抑えて準備を開始。
相手はサクラマス。
いくら遠くに来ようとすぐに釣れないのは承知の上。
初めての米代川なので、今回はたくさんのポイントを見て、良い流れを見つけたらルアーを流す。
それをひたすらに続け、初の米代川釣行は終えた。
次はGW。雪代が落ち着いて、サクラマスが広範囲にいる状況で上流域を確認しに行こうと考えながら帰路に着いた。
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その数日後、知人から吉報が。
状況を聞くと、雪代が少し落ち着いて水位が下がっている。
その翌日も釣ったようで、益々状況が上向きに。
次はGWと決めていたが、やはり人の予定と魚の状況は合わないもの。
サクラマスを釣った知人に金曜日の昼に連絡をもらった。
「状況はかなり良い。必ず行ったほうが良い」と。
強く背中を押され、2週連続の秋田入り。
今回は岩手と秋田の県境で吹雪いていたため、片道9時間強のロングドライブ。到着した頃には少し明るくなっていた。
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1番最初に入ったのは流れが右岸から左岸に強く当たるポイント。
等間隔で釣り人がいたので少し間を空けてエントリーする。
近くのアングラーに聞くと明け方に釣果があったようだ。
自分が選んだポイントに魚がいることを確信し、その流れの前後に魚が着くポイントがないかひたすらに歩いて探す。
しかしながら流したいポイントには必ず人がいた。
仕方なく、そこからさらに上流の右岸から左岸に大きくカーブするポイントへ。
そこには人が一切おらず、自分だけ。
ひとまず辺りをゆっくり見て回る。
すると、太い流れの中でも一箇所だけ少し流れの速さが違う場所を発見。
おそらく何か沈んでいるのだろう。
そう予測し、狙う流れの上流側からゆっくりとルアーを流し始めた。
魚が着く場所と食わせたい場所を考えながら一投一投、流し方や流す層を変える。
少しアップクロスに投げ入れたシャロー系ミノーが下流に向かって上手く流れを掴んだ後、すぐに答えが出た。
ドンッと攻撃的なアタリからファイトが始まる。
掛かった瞬間、鱒特有のローリングをしたためサクラマスだと確信した。
瀬のような流れの速さではなく、ゆっくりとした太い流れだったが、下へ下へとサクラマスは抵抗する。
落ち着いて魚を寄せ、いざランディング。
すると上流側にダッシュ。
体の横を猛スピードで通り抜け、危うくバラしそうになる。
サクラマスやサツキマスなどの場合、流れがある場所では下流側からネットインすれば良いが、今回のように流れが緩い立ち位置では寄せてから苦労することがある。
フックの掛かり位置が見えたため、冷静を保ったままランディング。
最高の瞬間だ。
サクラマスの銀鱗が映えるように、と選んだ青のランディングネット。
こうして並べてシャッターを切る瞬間は最高に幸せな気分だ。
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今季はこの釣行の後から、まん延防止等重点措置により自粛ムードが強まり、さらには緊急事態宣言が発令された。
そのため、サクラマス釣行は2回計4日間のみとなった。
本来であれば夏まで米代川に通い、シーズンを通して米代川のサクラマスを追うつもりであったが、それは叶うことなくシーズンを終えた。
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九頭竜川は区間が短いものの、速い流れの瀬の釣りからゆっくり流れる太い流れまで、いろんなシチュエーションが楽しめる素晴らしい河川。
そこでの経験を活かして挑んだ大河、米代川。
米代川も片道8-9時間かけて挑むことに価値のある、素晴らしい河川であることを今回で知った。
また来年も米代川に挑むとともに、新たな河川に挑戦したいと考えている。
すべてはサクラマスと出会うために。