中国山地のタカラモノ
2017年春、広島県へ。
社会人になりたての僕は知り合いのいない広島での生活で心も体も疲れていた。
そんなときに僕の心を癒してくれたのは一匹の魚だった---
今も昔も頭の中は釣りたい魚だらけ。
そんな僕が広島にきて釣りたかった魚...また、癒しとなった魚...それはイワナの亜種に位置図けられる「ゴギ」だ。
ゴギは中国地方に生息し、頭部に白斑が散在する少し変わったイワナである。
大学生の頃、イワナ属の一種「レイクトラウト」を釣ったことによってイワナへの興味が急速に増していた僕は中国地方に特殊なイワナがいることは把握していた。そして広島に引っ越す前から目を付けていた。
ゴギへのファーストアタックは意外にも早く、5月にやってきた。
関西を拠点に活躍の場を広げてきた広島出身の同年代アングラーが帰省してるとのことで、ひょんなことからゴギを狙いに行くこととなる。
約束の日。仲間と合流し、県北の山奥へと向かった。
車を停めたのは意外にも開けた場所。
「ココなの?」僕は沢の源流にしか生息してないものかと思っていた。
仲間は「ゴギは意外と近くにいるんです。何気ないところから飛び出してきますよ」と。
入渓後、交互に釣り上がる。いかにも居そうな淵からミノーにアタックする姿がなんとも逞しく、貪欲で、可愛らしくも思える。
最初はバラしを連発。なかなか釣り上げれない。
「このあたりが終わりに近いです。」
そう聞いた最後の淵。一つの大きな岩が沈む、入渓区間では一番の水深があるポイント。
そのポイントでの一投目だった。
大きな岩の陰にルアーが差し掛かったとき、軽く竿を煽ってルアーを操る。
その瞬間、
「出たっ!!」
2人して大きな声を出す。
狙いのゴギだ。
流石に良いサイズだと分かった仲間がネットを差し出してくれて無事ネットイン。
尺には届かないものの、なかなかのグッドサイズだった。
釣り上げた後はリリース。元気に帰って行った。
同じ魚好き、釣り好きの仲間と楽しい時間を共有できたことを幸せに感じる。
そしてこれからも釣り仲間とたくさんの楽しい時間を過ごせていけたらいいなと思うばかり…
あと1ヶ月半。
今シーズンの渓流釣りも解禁間近です。
今年もまた中国山地のタカラモノ探しに...